こんにちは、ふみたです。
前回の記事では自然乾燥は一般的に光熱費はかからないけど手間と時間がかかる事が多いということをご紹介しました。
上記画像は2019年4月に行われた洗濯物の乾かし方のアンケートですが、「屋外に干す」「室内に干す」といった自然乾燥で乾かすという方が圧倒的に多いのがわかります。
近年、浴室乾燥機は賃貸マンションにもあたりまえについているほど普及し、また性能の高いドラム式洗濯乾燥機が一般的になるなど、乾燥機を使って乾かす人はもっと多いかと思っていたのですが実態はそうではないようです。
これは乾燥機を使う事でかかる光熱費や乾燥機自体の値段などのコストに比べ、乾燥機を使うことによって得られる価値に魅力がないと思う方が多いという事です。
という事で今回は乾燥機を使った洗濯物の乾かすことでのメリット、機器自体や使う事でかかるエネルギーコストをご紹介します。
乾燥機のメリット・デメリット
乾燥機のメリットは?
気温や天候に左右されずいつでも乾かすことができる
総務省統計局によると、日本の平均降水日数は117日と単純に1年のうち約1/3の日において雨や雪が降っており洗濯物を外に干すことができない日という事になります。
また、日本の年間平均日照時間は2000時間前後であることから、1年間の日の出から日の入りまでの合計時間のうちの約半分の時間は外に洗濯物を干すことができる時間だと言えそうです。
尚、日本の平均快晴日数は29.2日と年間日数の1/10以下です。
これらをざっくりまとめますと
3日に1日は雨などが降るため洗濯物を外に干すことができない
2日に1日は太陽のもとで洗濯物を干すことができる
外干しでカラっと素早く乾かす事が出来るのは月に2~3日
時期にもよりますが平均的に、外に洗濯物を干すにはこれだけ天候が影響することがわかります。
室内干しの場合は雨にぬれたりすることは無いものの、雨が降った日などは室内の湿度も上がるため、影響が全くないとは言えません。
乾燥機はそういった天候の影響を受けずにカラっと乾燥させることができます。自然乾燥の場合は月に2~3回しか訪れない状況を毎日いつでも作り出すことができます。
乾燥にかかる時間を短縮できる
こちらの記事によると自然乾燥にかかる時間は天気が良くカラッとした日での外干しで
春:5時間前後
夏:2~3時間
秋:5時間前後
冬:6時間
とあります。前項では「天気が良くカラッとし日での外干し」が出来る天候状況はあまり頻繁には訪れないことを申し上げました。続いてこちらをご覧ください。
こちらの記事によると
洗濯物の生乾き臭の原因となる菌は洗濯をした後5時間経った所から爆発的に増殖する
とあります。
これらの事から
夏の晴れた日以外に洗濯物を自然乾燥させる場合はほとんどの場合において菌が増殖する
と言い換えることができそうです。
乾燥機を使えば長くて3時間、早い場合は1時間以内に乾かすことができるような機器もあります。
乾燥機のデメリットは?
やはり自然乾燥と比べた時に
エネルギーコストがかかる
設備コストがかかる
というデメリットがあります。
これからは各乾燥機器別にエネルギーコスト、設備コストに着眼していきたいと思います。
浴室乾燥機
浴室乾燥機という名称は通称で使われることが多いですが、メーカーにより「浴室換気暖房乾燥機」などとしている所もあり、機能としては多岐にわたります。
お風呂が寒いという時に暖房で暖めるという時にも使えますし、乾燥や換気機能を使って浴室自体のカビの発生を抑制する事も出来ます。
浴室乾燥機は主に電気式とガス式とがあります。
浴室乾燥機のメリットは?
浴室と洗濯物の乾燥を同時に出来る
浴室の物干しポールに洗濯物を干して乾燥機を作動させれば、浴室乾燥と洗濯乾燥が同時に出来ます。
夜お風呂に入った後、深夜電力を使って電気式乾燥機で乾燥を行うというような使い方をする方にはオススメです。ただし乾いた浴室で乾かすよりも濡れたままの浴室で乾かす方が洗濯物の乾燥時間と電気代がかかってしまいます。
乾燥したらそのままクローゼットへ収納できる
浴室乾燥機はハンガーで干しますのでそのままクローゼットなど収納にしまう事ができます。タンスや衣類ケースに畳んで入れるものよりも、ハンガーにかけているものの方が多い方はかなりの時間短縮になります。
浴室乾燥機のエネルギーコストは?
上記は電気式・ガス式浴室乾燥機の、衣類重量4kgの乾燥時間とエネルギーコストの一例です(ガス式浴室乾燥機側の比較画像なので若干ガス寄りの見解になっているかもしれませんがこのまま使用したいと思います)
エネルギーコスト 電気式:184円 ガス式:63円
電気式のエネルギーコストは深夜電力を使う事でもう少し下げる事は出来ますが、それを考慮したとしてもコストはガス式に軍配が上がります。
これを元に単純に1日1回使用した場合の月あたりと10年間のエネルギーコストは
電気式:月/約5600円 10年/671,600円
ガス式:月/約1920円 10年/229,950円
ここに給湯や料理、冷暖房などのエネルギーコストが加わると考え、今自宅で支払っている光熱費と比較してみてください。
電気式浴室乾燥機は膨大な金額になりますね。オール電化でエネルギーコストを削減♪と思っている方は使い方を間違えるとむしろコストは上がってしまうことになります。
また実際の使用にあたっては室温が低い、湿度が高い時期があったり、浴室が濡れている状態などがあることを考えると、エネルギーコストの平均値はこの条件のものより高くなると思います。
浴室乾燥機の中にはヒートポンプ式のものがあったり、エコモードでの使用ができるものがあったりなどエネルギーコストの削減できる機器もあります。他の乾燥機と比べて自身でどの機器を入れるか選ぶことが少ないように思いますが、浴室乾燥機をメインで使いたいという方は特徴を知ったうえで最適なものを選ぶのが良いでしょう。
浴室乾燥機の設備コストは?
住宅設備のネット販売、工事等を行っている交換できるくんによると浴室乾燥機の設備代(商品代金+取付工事費)は
電気式:7万円~10万円
ガス式:10万円~13万円
ほどのようです。
耐用年数は大体各社10年程との事なので、10年に1回、50年で5台分の設備コストを計算すると
電気式:約50万円
ガス式:約65万円
となります。
ガス衣類乾燥機(乾太くん)
特定の商品になりますが乾太くんの紹介です
単体の衣類乾燥機としては他の選択の余地がないくらい定番のこの乾燥機は、
5kgで約52分と数ある乾燥機の中でも一番の乾燥時間の短さと仕上がりのふっくら感に定評があり、家事の効率化にも大きく貢献することから「日本子育て支援大賞2020」を受賞するほどの人気機種です。
乾太くんのメリットは?
除菌効果&仕上がりがふっくらとする
80℃以上の温風をあてて乾かすので生乾き臭などの原因となるモラクセラ菌の除去ができます。
またその温度と乾かすスピードにより仕上がりがふっくらとし、シワが軽減されます。
デメリットは縮むということです。後述の洗濯乾燥機でも縮むことはあるようですが乾太くんは高温で乾かすためなのかけっこう縮むようです。
乾太くんにかかるエネルギーコストは?
乾太くんの乾燥にかかるエネルギーコストは
5kgで約40円
都市ガスを使用した場合の衣類重量5kgあたりのエネルギーコストです。また、1日1回使用した場合の月あたりと10年間のエネルギーコストは
月/約1200円 10年/約146,000円
と浴室乾燥機に比べるとかなりの低コストで使う事ができます。
乾太くんの設備コストは?
乾たくんの本体価格は5kgスタンダードタイプで128000円です。取り付けには約5~10万円ほどの工事費がかかります。
耐用年数はやはり10年(10年を過ぎると点検を推奨)ほどですので浴室乾燥機と同様、交換できるくんの価格を参考に10年に1回、50年で5台分の設備コストを計算すると
約75万円
と、浴室乾燥機より少し高額になるという計算です。
洗濯乾燥機
一台で洗濯から乾燥まで行う事ができる一体型の洗濯機器です。
今回はドラム式洗濯乾燥機の中から乾燥機能において評判の良いヒートポンプ式乾燥機を例としてピックアップしご紹介します。
洗濯乾燥機のメリットは?
洗濯から乾燥までフルオート
洗濯が終わったのに洗濯機の中にある状態というのは衣類にとってとても良くない状態です。ですので洗濯が終われば早めに出して乾かさないといけないため洗濯が終わるのを待つ必要があります。つまりこの間は洗濯機に縛られることになります。
その点洗濯乾燥機では洗濯から乾燥までの工程を、一度ボタンを押せば仕上がりまでフルオートで行ってくれますので時間を縛られることがありません。
スマホからの操作が可能
洗濯機能にも関係する機能ですが、洗濯機のあるその場にいなくても操作が可能です。
例えば外出先や帰宅の途中に洗濯機の操作をし、帰宅するころには乾燥まで済ましておく事も出来ます。
洗濯乾燥機のエネルギーコストは?
上記はPANASONIC/VX-900Bの洗濯物重量6kgの洗濯乾燥にかかる時間とエネルギーコストです。(乾太くんの比較で記載されていたヒートポンプ式洗濯乾燥機の所要時間とエネルギーコストは無視します)
乾燥にかかる消費電力は822Whです(洗濯乾燥消費電力から洗濯にかかる消費電力をひいたもの)それで計算すると乾燥一回当たりの電気代は
約23円
また、1日1回使用した場合の月あたりと10年間のエネルギーコストは
月/約700円 10年/約83950円
所要時間はほぼ乾太くんと同等、エネルギーコストは乾太くんの約半分という所でしょう。
さらに深夜電力を使用したり、省エネコースを使用することで更なるエネルギーコストの削減が出来ると思います。
洗濯乾燥機の設備コストは?
ご紹介のPANASONIC/VX-900Bの設備価格ですが、本体の実売価格で約30万円前後です。
これまでご紹介してきた乾燥機の設備コストは洗濯機の本体価格を含んでいないため、上記実売価格から一般的な洗濯機の実売価格を10万円とし、それを差し引いて計算します。
洗濯機の平均的な使用年数が10年ほどという事なので、これまでと同様に10年に1回、50年で5台分の設備コストを計算すると
約100万円
となります。
まとめ
ここまでご紹介した各乾燥機のエネルギーコストから生涯(50年)使った場合のエネルギーコストと、設備コストを足したものをまとめます。
生涯乾燥エネルギーコスト | 生涯設備コスト | 合計 | |
---|---|---|---|
電気式浴室乾燥機 | 約3,358,000円 | 約500,000円 | 3,858,000円 |
ガス式浴室乾燥機 | 約1,149,750円 | 約650,000円 | 1,799,750円 |
ガス式衣類乾燥機(乾太くん) | 約730,000円 | 約750,000円 | 1,480,000円 |
ヒートポンプ式洗濯乾燥機(VX900-B) | 約419,750円 | 約1,000,000円 | 1,419,750円 |
いかがでしょうか。たかが乾燥機とはいえ生涯で考えるとこれほどのコストがかかります。そして使用機器によってこれほどの差があります。
しかし冒頭でも述べたように自然乾燥では得ることが難しい天候などの問題や乾燥にかかる時間を解決してくれるというメリットもあります。
上記エネルギーコストと設備コストは使い方次第ではもっと下げることが出来ます。特に使いたい設備とエネルギープランの選び方が合っているかどうかはお家を建てる時に決めておくと良いでしょう。
オール電化住宅に後からガス工事をするとなると余計な費用がかかってしまいますし、電気機器を多く使うのにガス併用住宅にするとお得な料金プランが適用できない可能性があります。
エネルギーをなるべく使わないで生活する事は豊かに暮らすために大切な事ですが、身につける服や毎日使うタオルなどを常に清潔に快適に使う事ができる事も大切な事だと思います。
少ないエネルギーで快適な生活を得るために、今回の記事を少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント