こんにちは、ふみたです。
現在私が住宅を建設を予定している土地は郊外の閑静な住宅地です。この場所は妻の希望で実家へのアクセスを考慮した結果ですが、そこに至るまでにはたくさんの葛藤がありました。
職場が都市部だし、通勤時間を考えたら近い方が良いんじゃないの?
郊外って不便そう…
十数年、大阪市内で暮らしてきた私も最初はこんな事を思って躊躇していました。
しかし注文住宅を建てる上では大阪市内にするより、少し遠くても郊外にする方が大きなメリットを得られる事を知り、今の地域を選びました。
今回は都市部ではなく郊外に注文住宅を建てることのメリットを紹介します。私と同じような懸念がある方はぜひ最後までご覧ください。
メリット①広くて安い土地を購入できる
まずは単純に、土地の価格が都市部に比べて安いという事です。
これは令和2年大阪市の地価公示資料です。
住宅地の平均価格は247000円/㎡となっていますので、単純にこの平米単価で100㎡の土地を購入すると考えると、土地の値段は約2500万円となります。
トータル予算を4000万円と考えた場合、住宅自体にかけられるお金は1000万前後となります。
対して郊外の土地は大阪市内より安く、府内他市で十万円台、場所によってはそれ以下という所もあります。100㎡の土地を購入しても約1000万円前後となり、住宅にかけられる金額も大きくすることができます。
これだけ違うとなると、土地の価格はそこに建てる事ができる住宅の広さや性能に大きく影響してくることがわかります。
どういった住宅に暮らしたいかと、どういった場所に暮らしたいかのバランスが大切です。
大阪市内で100㎡の土地を購入すると平均2500万円前後
総合的な予算から住宅と土地にかけるお金のバランスを考える
メリット②一戸建て向きで便利な地域が多い
次に、比較的主要駅周辺でも一戸建て住宅に向いた土地が多いという所です。
この画像は大阪駅周辺の用途地域区分情報です。
黄色や緑色の地域がより一戸建て住宅向きの地域になるのですが、ほぼ赤色の「商業地域」という区分ですね。
同じ大阪府内でも高槻市の主要駅周辺だとこのようになります。
同じ縮尺範囲内で主要駅周辺でも一戸建て住宅向きの地域の割合が多いことがわかります。
主要駅は急行や特急などの停車駅であることも多く、都市部に通勤する場合も便利です。逆に地下鉄やマイナー駅近辺だと、物理的な距離は近くても乗り換えをしなければならなかったり、各駅停車しか停まらなかったりで時間がかかる場合もあります。
商業地域や準工業地域には住宅が建てられない、というわけではいのですが、景観や騒音の問題などがあり一戸建て住宅には向いていません。せっかく建てたお家から見える景色が人の多い通りでは落ち着きませんよね。
こういった地域に暮らすなら高さでパブリックとの距離をとったり、景観や日当たりを確保したりできるマンションという選択肢が多くなるわけです。
郊外なら主要駅近辺に一戸建て住宅を建てられやすい
都市部よりも郊外主要駅近辺のほうが便利な事もある
都市部主要駅近辺ならマンションのほうが良い
メリット③建物のコストに違いが?
先述の用途地域と同様に、都市計画法によって「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されるエリアがあります。いわゆる「防火地域」「準防火地域」というエリアです。
この2つの地域において建物を建てる場合、そうでない地域と比べて耐火性能を上げる必要があります。簡単に言うと構造に制限がかかったり、窓やドアを防火仕様にしなければいけなかったりと、建築費用がかさむ場合が多いです。
駅前、幹線道路沿い、建物密集地が指定されることが多いのですが、またまた大阪市を例にご覧ください。
赤色が「防火地域」、黄色が「準防火地域」なのですが、大阪市のほぼ全域がそのエリアとなっています。対する高槻市もご覧ください。
駅周辺のみが「防火地域」の指定エリアです。
高槻市に限って言えば、一戸建てを建てるような場所が防火地域にかかることはほとんどなさそうですが、一般的に繁華街が多く、建物が密集する都市部よりも、郊外の方が非防火地域が多いです。
居住地を決める際にはある程度の地域を絞って探しますが、最初に都市部から土地探しを行う方よりも、郊外から土地探しを行う方の方が防火地域、準防火地域にかかる可能性が低い、ということが言えます。
また、郊外は防火地域の範囲が狭い事が多いので、地域を少し変更して検討すれば非防火地域になる、ということも可能かもしれません。
耐火建築物にするためにコストが大幅に上がってしまった
防火地域のために思い描いたお家を建てることが出来ない
最初から防火地域を想定した予算を組むなら問題ありませんが、恐らくお家を計画した当初からそこまで考えが回る方は少ないでしょう。つまり都市部で土地探しを始めた方はこのような思いをする可能性が高くなってしまいます。
もちろん郊外でも防火地域にかかる所はありますので、予め自身のお家を建てる地域がどのような区分の地域か、というのは調べておくようにしましょう。
ただし、耐火性能が高い建物=無駄な費用ということではありません。建物の耐火性能は高いに越したことはありません。できれば建てる方の意思によってその選択が出来た方が良いと思う、という事ですので悪しからず。
都市部に比べ郊外の方が非防火地域の割合が多い
選んだ土地が非防火地域である可能性が高い=コストをかけずに済む
後になって予算オーバーで困ることが無いような下調べが必要
まとめ
郊外と聞くと不便で通勤に時間がかかる、と思われてしまうかもしれませんが
郊外だと主要駅近辺でも一戸建てを低コストで建てられる
急行や特急停車駅なら都市部までそこまで時間はかからない
駅周辺なのでそれなりに便利に生活できる
結果的にこういった恩恵も受けられる可能性があります。
実際に私の場合も
急行停車駅まで徒歩5分
大阪市主要駅まで乗り換えなし30分
大型ショッピングセンターまで自転車圏内
と、むしろ便利に感じませんか?…というのは個人の主観ですが
大切なことは我々が暮らすのは土地ではなく、そこに建つお家だということです。
私のブログのテーマである「低コストで高性能な住宅」はちょうどよい土地にちょうどよいお家が出来てこそ成立します。今のところ土地選びは価格、地域区分、周辺環境共にうまくいったと思っています。(電柱の件以外は)
以前の記事にも書いたように土地は一点ものですので、良い条件の土地を見つけたら急ぎたい気持ちもわかります。その時に今回ご紹介した要素も思い出しながら検討して頂けると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
土地は今のところうまくいってると言いましたが、実は地盤調査の結果、地盤改良費の追加発生に怯えています
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